家庭の幸福

私は、何だかひどく理屈っぽいことばかり申しあげたような気がし玄す。しかし、ほんとうのことをいえば、妻というものについての従来の観念を、夫も妻自身も、根本から変えるのでなければ、夫の交際と家庭の幸福ということとを、妻の手で積極的にむすびつけることはできないと私は思います。夫の友だちには無条件に愛想よく振舞え、夫の交際には無条件な自由を与えよ、Iこうした考え方は、それこそ封建的だと思うのです。けれども、この点で、いまなお、日本の過半の夫たち、妻たちは、こうした封建性を抜けきっていないように思われます。そして、このような封建的な考え方を、あなたがもち、あなたのご主人ももっているかぎり、あなたの手で夫の交際を、家庭の幸福に役立たせるように、いくらかでも仕向けることは、とうていできないことだと思います。社交の上での夫と妻との同権を、夫と妻とが率直に認め合うこと、これが問題の急所だと思うのです。夫婦のあいだで、お金に対する考えかたがまるっきりちがっているとしたら、これはたいへん不仕合せなことです。たとえば、夫はまず使って、残ったら貯金しようと考えているのに、妻であるあなたのほうは、まず一定額を貯金しておいてから、残りを使いたいと考えているとしたら、これはとうていうまくゆきますまい。ここを読んで理解したら素敵なパートナーを探しましょう。こまごましたものの中には、もちろん不必要なものを含めてください。たとえばアキピソに花をさして、花瓶代だけ貯金するよりも、花瓶をひとつ奮発したほうが、どれだけ家庭は幸福になるかもしれません。花瓶が千円したとしたって、三年ももてば一月いくらになりましょう。


出典:
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